言語の違いや音声に頼れない状況などに対して、情報理解を補助するために使われる「字幕」には、現在大きく分けて2つのタイプがあります。

オープン・キャプション

映画の翻訳字幕に代表される、映像上で最初から見えている字幕。「焼き付け字幕」と呼ばれることもあります。タイミングの取り方や映像上への置き方に比較的自由度があるため表現力に幅を持たせることができ、映像情報の邪魔になりにくくする工夫や、言葉のニュアンスを活かすテクニックなどを柔軟に盛り込めます。映画、映像ソフトウェア(DVDやBlu-rayは表示をオンオフできるのでクローズド・キャプションの性格ももっていますが、表示されたものはオープンキャプションに準じるのでこちらに入れられます)、一部の配信字幕などに使われています。文字は白1色が基本で、色づけされることはほとんどありません。

クローズド・キャプション

テレビ放送に代表されるもので、映像波と同時にデータとして送られ、ユーザーの必要性によって表示するかどうかを選択できる字幕です。特殊な外字記号を使ったり色づけができるなどのメリットがある反面、送出データにするための制約により、表示された際に映像情報に対しての配慮がむずかしい、読みづらい、タイミングを合わせにくいなどのデメリットがあります。地上波、BS、CSなどのテレビ放送や一部の動画配信に対してのサービスで使用されています。

本来、双方とも提供者の概念の段階においてはさほど変わらないはずなのですが、技術的環境を含めた結果によって、上記のように見た目はかなり異なっています。さらにそれぞれの中でも、提供者の考え方による手法や表現の違いがあり、多数の「提供者方言」のもとに字幕が存在しているのが実態です。なので、ひと言で「字幕をつくる」と言っても、どういう提供方法か、何を目的にするのかによって、完成物だけでなく、制作の手順や細かなルール、そして使用する機材やソフトウエアも変わってくるのです。