字幕制作を始めた人が、しばらくたって必ず口にする言葉とは
字幕制作の現場のお話
字幕を制作する場合、その多くの部分は言葉と情報の整理に当てられます。
実際の制作においては、基本的に映像データと文字データの両方を扱います。ですから、やり取りするものや情報が多くなりがち。
また、何に対しての字幕を作成するのかによって、制作の手順や制作内容、納品形態が細かく変わってくるのです。
さらにやっかいなことに、会社ごとに用語が指し示すものや手順が少しずつ異なりますので、そちらにも注意を払うことが必要になります。
字幕をつくること自体だけでなく、業務全体が、常に情報整理と言葉の使い方でいっぱいなのです。
翻訳字幕 制作の流れ
- クライアントと内容と納期などの確認
- クライアントからワーク用映像を受け取り、内容確認
- 案件ごとにフォーマットや表記などの決まり事を確認
- クライアントより原文のスクリプト(台本)や聴き起こし原稿を受け取り
- (場合によっては原文全文に対してのベタ翻訳)
- 映像と台本を元にハコ割りおよびスポッティングの作業(タイミング作成)
- 字幕翻訳 ライティング作業
- 字幕データ化完成とチェック作業
- クライアントへデータを送付
- クライアント確認結果により、翻訳やデータの修正
- クライアントへデータ納品
- ポストプロなどでのプレビュー(ここで修正が出る可能性も)
- 完成試写
音声視覚化字幕 制作の流れ
これらは、聴覚障害者用、バリアフリー対応とうたわれる字幕とほぼ同じものです。ところが、テレビ用などのクローズドキャプション制作とは考え方も工程もかなり異なります。
- クライアントと内容と納期などの確認
- クライアントからワーク用映像を受け取り、内容確認
- 案件ごとにフォーマットや表記などの決まり事を確認
- クライアントより台本や聴き起こし原稿を受け取り(ない場合もあり)
- 耳と台本などの資料を頼りに言葉の内容の書き起こし
- 映像と書き起こしたテキストでハコ割りおよびスポッティングの作業(タイミング作成。書き起こしと同時に進める場合も)
- 内容の調整、音情報などのライティングと付加
- 視認への最適化を行いながらデータ完成、チェック作業
- クライアントへデータを送付
- クライアント確認結果により、内容修正
- クライアントへデータ納品
- 当事者を対象にしたモニター検討会
- データの再度修正
- ポストプロなどでのプレビュー
- 完成試写
とにかく手間暇がかかる字幕制作
段取りが悪いと泣くのは自分
字幕制作者側からは、その作品のマスター映像の状態や、最終的なフォーマットのための仕上げ作業の内容は意外と分かりにくいもの。発注側と受注側でしっかりと情報を確認・共有して進行していないと、予期せぬところでボタンの掛け違いが発生します。
「マスター映像から作ったワーク用映像のはずが、そうではなかった。」「最終的なプラットフォームが予想と違っていて文字コードが異なった」「実は小学6年生対応の漢字表記が必要だった」などなど……
そして、字幕のタイミングがズレていく、1字幕の表示字数が多すぎる(少なすぎる)、文字化けするといったトラブルも。
しっかり作業を進めていたはずなのに、最後の最後でそんな基本的なところで穴に落ちてしまい、全面リテイクなんてこともあるのですよ。
いつも、最悪の事態を想定し、先回りして穴を塞いでこそ一人前。
書きものが大好きな人でも、映像関係のお仕事をしていた人でも、字幕のお仕事に数作携わると必ずこう言います。
「字幕制作は奥が深すぎる…」
いや、いい意味でも別の意味でも、本当にそうだと思います。
このたび、ソフトウエア「おこ助」シリーズおよび、その関連製品の発売・販売とテクニカルサポート業務を終了し特定非営利活動法人メディア・アクセス・サポートセンターへ譲渡することとなりました。
当社での関連業務の終了は、2023年10月31日(火)となります。
おこ助Pro3の最新版「バージョン3.2.12」にて自動アップデート機能の不具合に対する修正をおこないました。
3.2.11以前のバージョンでは自動アップデータが配信されませんので、新バージョンご希望の方はお申し込みが必要です。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言および期間延長の状況を受け、各種お問い合わせ、サポート、受注・出荷などの業務を一部縮小実施しております。