行動させたいなら感情を動かそう
音声で心を直接ノック

ナレーションとは「物語を語る(説明する)」ことを意味します。
映画、テレビドラマやアニメなどの映像作品では、語りの部分を「ナレーション」といい、ナレーションを読む人のことを「ナレーター」と呼んでいます。
ナレーションと聞いて「商業コンテンツのことは自分には関係ない」と思っているあなた。それは、すでに古い考え方かもしれません。
音声・動画の記録や再生がコンパクトで安価に行えるようになった近年、それにともなってナレーションを活用できるコンテンツも激増。需要と重要性も増しています。
- 博物館や美術館の音声ガイダンス
- 店舗や会社などで流れるアナウンス
- プレゼンテーション用・教材での説明
など、ほかのものと差別化する、あるいは見聞きする人の関心・興味を引きつけるために、ナレーターを活躍させるべき分野は多岐にわたっているのです。
声の使い方ひとつで受け手の反応は変わる
あるテレビの情報番組のお話です。
長年勤めたナレーターが何かしらの事情で降板することになり、後任に別の方がナレーションを行うことになりました。
その結果、どうなったでしょうか?
視聴率が極端に低下したのです。
後任の方は数多くの実勢がある重鎮。「ナレーターの力量の違い」が理由ではありません。もちろん番組の構成も司会者も以前のまま。
後の調査では、そうなった要因として、最初のナレーターの声による刷り込み効果が強かったこともあるでしょうが、主に後任ナレーターの声質と番組内容がマッチしていなかったことが挙げられました。
テレビ番組やCM制作の世界では、ナレーターの選択だけで人気が出たり出来の差を感じたりすることが、実際には多々あります。
こういった例から考えてもお分かりいただけるように、ガイダンス音声であっても、プレゼン用のナレーションであっても、ただあればいいといった感覚で安易に付加することを行うべきではないのです。
目的に合わせ分かりやすく印象よく伝えられるか。的確なナレーション制作を行う力があるかないかで、結果は大きく変わってくることでしょう。
音による訴求のほうが感情を動かしやすい
人は多くの情報を視覚から得ています。
しかし気づかないうちに、視覚では伝わらない言語情報や感情を左右するさまざまな周辺言語情報を、同時に聴覚から得ている場合がほとんどです。
ナレーションは、そこに訴えかける役割を担う分野です。
受け手に内容に対する印象づけと早期理解を得るためには効果的なナレーションですが、一歩間違うと粗悪さや安っぽさを瞬時に植え付けてしまう可能性があります。
音は感覚的なものですので、見ることができませんし、価値を掴みにくいもの。
もしナレーションの力を利用するなら、価格だけでの判断ではなく、良質なものをしっかりと聞き分けて採用できるようにしたいところです。
何げなく読んでいる字幕という言葉ですが、映像上の文字はすべて字幕として考えてもよいものでしょうか?これをちょっと知っておくとお仕事の際に誤解が生じにくいかもしれません。
字幕はそれが必要な人にとっては映像作品の内容を知るための額縁のようなもの。どういった額縁を用意するかで、内容への影響度合いが変わり、作品のイメージも変わります。